第一時限目 稲田教授によるトランクスの講義
          (生地 ゴム編)

3月15日 晴れ

日直 稲田
おはようございます
 まず、トランクスを知るためにはその素材である、生地を考えてみよう。
現在はニット、布帛の生地のトランクスが主流である。
ニットとは糸を編み機にかけ編み上げた生地の事を言い生地の特性は伸縮性を持ち、Tシャ
ツなどの製品は100%それである。
布帛とは糸を織り機にかけ織り上げた生地の事を言い生地の特性は伸縮性が無く、カッター
シャツなどの製品に使われている。
これらの特性を生かし製品に反映させている、例えばニット生地で風呂敷を作ればと考えれ
ばその状態は想像がつくだろう。
ここまでの講義で布帛という単語を初めて目にした人も多いだろう、しかし世の繊維は織り機
から始ま った。かの有名なトヨタ自動車も豊田佐吉(トヨタグループ創業者、写真参考)が母の

豊田佐吉翁手機(てばた)仕事を少しでも楽にしてあげたいと明治23年豊田式人力織機を
発明した。
それまでの手機は蚕(繭)、綿花、木の繊維などから糸を作り織り上げた、それら
の材料や織り方で奈良では大和がすり、京都では京ちりめん、三河木綿などの
生地が誕生した。
すなわち編み機が開発されるまでは繊維製品は後に布帛とよばれる織り生地で
作られていた。
これで布帛への理解をいただけたと思う、次に私は布帛トランクス、パンツの製造メーカーとし
て布帛生地に対し講義を続ける、現在おもに糸の原料は石油と綿花である。
どちら共日本は輸入国であり、原料の価格は為替と相場に左右される。
輸入されたそれらの原料が一時代を支えた紡績工場で糸から生地へと加工される、石油はナ
イロン糸やポリエステル糸、綿花は綿糸に、その糸が最新鋭の織り機にかけられ生地になる。
ここからは生地の説明に入る、糸の太さや縦、横に使われている糸量により使用目的に合わ
せ織り上げられる。そのため生地の価格は原料+糸番手+使用量となる。
使用量は1インチ(2.54cm)の中に縦、横何本の糸があるかということであり、トランクスに
は縦+横=150本〜205本が最適とされている。
トランクスに使用される生地幅は112cm〜114cmで使用量(要m)は大人サイズで50〜65
cmである。市販価格1枚1000円のトランクスだと生地代は綿100%で約120〜200円程と
なる。
また、生地には先染め(糸を先に染め織ったもの)後染め(後で染めたカラー生地)プリント(柄
と下地のプリント)などがある。染色やプリント技術の発達により色落ちのクレームもすくなくな
った。
ゴムは商品の機能性、ファッション性により15mm〜40mm幅が使い分けられている。
タイヤやゴルフボールに象徴されるように日本のゴム精製技術もすぐれ、昔のように押し売り
がゴム紐を売りに来る事も無くなった。日本製のトランクス、パンツのゴムが伸びにくいのもそ
のためである。

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